SAKE DIPLOMA 二次試験 テイスティングの考え方
テイスティング試験の概要と、このページの使い方
SAKE DIPLOMA 二次試験のテイスティング実技は、試験時間30分で、日本酒4種・焼酎2種を用語選択用紙にマークして回答する形式です。
このページでは、教本(第4章 日本酒のテイスティング)の記述にもとづいて、香りと味わいの見方、特定名称との対応、練習のやり方を整理します。
1. 見る順番:外観 → 香り → 味わい → 特定名称
いきなり特定名称を当てにいかず、外観・香り・味わいの特徴を順に拾い集めて絞り込んでいくのがセオリーです。
💡 用語選択用紙の項目
- 外観: 清澄度、濃淡、色調
- 香り: 第一印象、特徴(果実・花・グリーン・穀物・乳製品・熟成など)
- 味わい: 第一印象、甘味、酸味、苦味、バランス、余韻
- 特定名称: 吟醸酒、大吟醸酒、純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒、特別純米酒、本醸造酒、特別本醸造酒
各項目の選択肢は、テイスティング用語選択用紙のページで確認できます。
2. 香りで見る:特定名称との対応
教本では、香りの特徴ごとに「現れやすい特定名称のタイプ」が整理されています。
アルコール添加の有無を見極める重要なヒントになりますが、1つの香りだけで即断せず、複数の要素を組み合わせて判断しましょう。
木の芽、青草、新緑、青竹など、爽やかで清涼感のある香りです。
原料(米)由来の香りで、生酒でもはっきりと感じられます。
ヨーグルト、サワークリーム、チーズなど、乳酸由来のまろやかな香りです。
3. 味わいで見る:アミノ酸・酸・アルコールの影響
日本酒の味わいは、甘味・酸味・苦味・旨味の四味のバランスを、第一印象・広がり・後味・余韻の各時点で捉えて表現します。
💡 味わいに関わる成分の目安
- アミノ酸度: 吟醸酒で1.0〜1.3程度、純米酒で1.5前後が多く、低精米酒や熟成古酒では2.0を超えるものもあります。アミノ酸は、味にふくらみや厚み、広がり、コクをもたらします。
- 酸度: 1.0以下では柔らかく軽快な印象、1.5を超えるとしっかりとした印象と、余韻にフレッシュ感が残ります。
- 有機酸の種類: コハク酸は旨味や苦味をともなってコクを生み、乳酸は味のふくらみに、リンゴ酸やクエン酸は爽やかさに結びつきます。
- アルコールと日本酒度: 日本酒度は甘辛の目安のひとつです。アルコールの刺激で甘味が強く感じられたり、酸が多いと辛口に感じられたりするため、数値だけでは決まりません。
4. 自宅での練習方法:比較テイスティングのコツ
お酒を1本だけで飲んでも特徴がつかみにくく、自己流だと迷子になりがちです。
自宅で効率的にトレーニングするために、以下の3つのポイントを意識しましょう。
-
①
同じ蔵の2本を並べて比べる
蔵の個性をそろえることで、アル添の有無や酒母・精米歩合の違いに集中できます。 -
②
ボトルを隠してブラインド化する
アルミホイル等を巻いて番号を振り、先入観をなくしてグラスの香味だけに集中します。 -
③
実際の試験と同じ形式の用語選択用紙にマークする
選択肢の表現に慣れ、本番の時間配分(30分)を意識しながら回答する練習が合格への近道です。
5. 練習用のお酒の選び方:テーマ別ペアリング
銘柄名ではなく、ラベルのスペック(特定名称・アル添の有無・酒米・造りの違い)を手がかりに選びます。
「何を飲み比べたいか」のテーマに合わせて揃えるのがポイントです。
日本酒:比べたい項目ごとの選び方
A. アルコール添加の有無
選び方:同じ蔵の「本醸造(特別本醸造)」と「純米」。原材料名に醸造アルコールがあるかどうかで見分けます。
確かめること:醸造アルコールを加えた酒は香りが立ち、すっきりとキレの良い味わいになりやすい傾向です。純米のふくよかな厚みや余韻の違いと比べます。
B. 吟醸香の系統
選び方:吟醸酒・大吟醸酒を2本。使用酵母が書かれていれば参考にします。
確かめること:リンゴのような香りのカプロン酸エチルは、セルレニン耐性酵母(香り酵母)が多く生みます。バナナのような酢酸イソアミルは、伝統的な酵母による吟醸香の中心です。
C. 酒母の違い
選び方:ラベルに「生酛」「山廃」とある純米酒と、とくに表示のない一般的な純米酒(酒母の約9割は速醸系)。
確かめること:山廃系の純米酒では、ヨーグルトやサワークリームを思わせる乳製品系の香りに出会うことが多くあります。乳酸は味のふくらみに、コハク酸はコクにつながります。
D. 原料米の違い
選び方:原料米の品種名(山田錦・五百万石・雄町など)が明記された純米酒。
確かめること:五百万石は精米を抑えてもすっきり軽い酒になりやすく、山田錦は麹が造りやすく奥行きのある味わいになりやすい品種です。雄町は、ほどよい旨味とまろみが出るとされます。
E. 精米歩合の違い
選び方:同じ蔵の「純米酒」と「純米大吟醸酒」。ラベルの精米歩合の数値を確認します。
確かめること:米を磨くほど雑味が減り、香りが華やかでクリアな味わいになります。磨きを抑えた純米酒の豊かな旨味やふくらみとの差を確かめます。
焼酎・泡盛:比べたい項目ごとの選び方
F. 芋焼酎(常圧蒸留・25度)
選び方:原材料にさつまいも、蒸留方法に「常圧」と書かれた25度の本格焼酎。GI「薩摩」の表示があるものを選べば確実です。
確かめること:常圧蒸留は高い温度で蒸留するため、香ばしい香味が出ます。フーゼル油に由来する穀物やナッツ、土のような印象と、サツマイモの甘い香りを確かめます。
G. 麦焼酎(減圧蒸留・25度)
選び方:原材料に麦、蒸留方法に「減圧」と書かれた麦焼酎。
確かめること:減圧蒸留は低い温度で蒸留するため、果物のような香り(エステル)が出やすく、油性成分は少なめです。淡麗でくせのない味わいを、常圧の芋焼酎と並べて比べます。
H. 米焼酎(球磨焼酎)
選び方:GI「球磨」の表示がある米焼酎。
確かめること:減圧蒸留の軽快ですっきりとした味わいや、常圧蒸留の豊かな米のコクを確かめます。
I. 泡盛(30度)
選び方:「琉球泡盛」の表示がある30度の泡盛(沖縄県産)。
確かめること:全量米黒麹仕込みならではの濃厚なコクや、若い泡盛に見られる丁子(クローブ)のようなスパイス香(4-VG)、熟成古酒のバニラ香を確かめます。
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